―…それは、あの人があたしを産んだからだ。



『……っ。』



悔しかった。
あたしは何もやってないのに、言いたい放題言われて。



無意識に握りしめた手のひらに、ギュッと爪の跡がつく。




“友達だと思ってたのに”

…あたしだって、思ってたよ。



“友達の好きな人取るなんて最低だよね”

…あたしは、取ったつもりなんかない。



“ちょっと可愛いだけで調子乗ってる”

…そんなつもりないし。



“可愛いから一緒にいてやったのに、無意味じゃん”


…じゃあ、最初から、

最初から、友達になんなきゃよかったじゃない。