センセーは、朝のホームルームも本当に普通だった。 あんなことがあったのに。 あたしが抱きついたら、それを受け止めてくれたのに。 何事もなかったように、あたしにも他の子と同じように微笑みかけて。 センセーのことが頭から離れないあたしが、バカみたいじゃない。 「…っ、汐留!」 ―…センセーが、あたしのことを引き留めた。 当たり前なのかもしれないけど、センセーは“愛奈”と呼ばない。