『お母さんは、そういう心配しなくていいいから。』 そう言って、あたしは再びお母さんに背を向け、新宅の方へと小さく歩き出す。 そういう気遣い、いらない。 あたしは別に、大丈夫だし。 「でも、お友達とお別れするのはさみしかったでしょう?」 『あぁ、もう!』 ―…そんなもの、ないよ。 寂しくなんか、ない。 あたしには、未練なんか1つもないんだから。