センセーは、髪を困ったようにかき乱した。 それはきっと、間を保たせるためにやる、センセーの癖。 センセーのいつも通りの対応が、あたしの心にシミていく。 心が、痛い。 『…あたし、先に教室戻ります。 ごめんね、また後でね、飯島くん。』 こらえきれなかった。 こんなの、バカみたいだけど。 あたしは飯島くんに向かって、謝罪の笑顔を作るだけで精一杯だったの。