さっきは、失敗した。 あんなことをするなんて、あたし、何やってるんだろう。 これじゃあただの、面倒くさい生徒じゃない。 ちゃんと、良い子でいなくちゃ。 「はい。ココアでよかったよな?」 センセーが、ソファーに戻ってきた。 『ありがとうございます。』 さっきの失敗を取り戻そうと、必死に笑顔を作るあたし。 本当はあたし、コーヒーがいいんだけど。 ココアとか甘すぎるんだけど。 そんな文句言ってられないから、センセーが席に座ったのを確認して、ゆっくり口に含む。