センセーの優しさに、漬け込めば良い。 センセーは少し変わった人だけど、優しいから。 あたしの過去を全て話せば、オカアサンのことを言えば、きっと心配してくれる。 優しさを、利用しちゃえば良い。 ―…あたしは、センセーに思いっきり抱きついた。 「…っ、汐留!?」 センセーが、困ってる。 センセーのいつものダボダボなパーカーに顔をうずめてるから、どんな顔をしてるのかはわからないけど。 センセーはあたしの体を引き剥がすことはせず、困ったように髪をかきむしってるようだった。