野宿? …いやいや、そんなの有り得ないし。 ただえさえこの地域は寒いのに、夜なんかもっとヤバいに決まってる。 凍え死ぬ。 …じゃあ、どうするの? 『……。』 淡い、希望が宙を舞った。 有り得ない、有り得ない。 迎えにきてくれるなんて、有り得ない。 小さいころは、迎えにきてほしく家を飛び出した。それは認める。 でも、今はそんな希望ひとたまりも、あの人に残ってないから。