動揺しているわけじゃない。 でも、あたしは原因をちゃんとわかってる。 あの日、…尾崎センセーの家に行った日からだ。 彼の目を、見れなくなったのは。 『……。』 あの日、センセーの前で泣いてしまったあたしは、なんだか悔しくて。 涙を見せてしまった自分が、すごくすごく腹立ただしくて。 それ以上に、何も言わずに背中をさすっていた尾崎センセーが、すっごく、すっごく、ムカついた。