東京から、車で揺られて6時間。 引っ越し車より少し早く、深夜に出発したあたしたちの車は、日本列島の北の方で停止した。 「愛奈ー、付いたわよ~。」 お母さんの声で『うー』と唸り声をあげ、下ろしていた瞼を開くあたし。 別に、お母さんに起こされる必要もなく、本当はばっちり起きていたけど。 寝ていたフリを、しておく。 『……。』 目を開けたあたしは、思わず呆然。