「汐留は泣き虫だなぁ…。」 そう言って、先生は困ったように苦笑いして。 背中をさする手を止めたと思えば、今度はあたしを落ち着かせようと優しく背中を叩きだして。 ―…やっぱり、この人嫌いだ。 あたしの完璧じゃない部分を引き出す人なんて、この世界にはいらないと思ったの。