初めて……って、ちょっとドキッとするじゃないの。

 美奈実は照れたのを隠すために、掛け布団を鼻までかぶった。

「あ、ちなみに」

 梶原はその掛け布団を剥がしながら

「教師に手を出したのも初めて」

 と言って美奈実の額にキスをした。

「そんなの、前例があってたまるかっての!」

 梶原は幼くて愛くるしい、だけどちゃんと男の子の顔をしてケラケラと笑った。

「あ、ところで先生」

「なに?」

「今何時?」

 えーっと、裸眼だし部屋の明かりを点けてないから時計がよく見えない。