大学時代、なんとなく取らないと損をする気がして取得した教員免許。

 教師になるつもりなど毛頭なかった美奈実は、一般企業に4年半勤めた。

 無理がたたって体を壊し、退社。

 次は体の負担が少ない職に就こうと思い、そこでなんとなく取った教員免許が役に立った。

 という成り行きで始めた、教師という仕事。

 大学の附属であるこの学校を選んだのは、ある程度の学力と真面目さが約束された子供を相手にできるということと、大学受験をする生徒が少ない方が楽だと思ったからだ。

 カリキュラム通りに授業を進め、予定された通りに仕事をこなせばそれでいい。

 夏休みも一般企業より長く取れるし、お陰で体は健康を保っている。