赤い下着の主


「これ、あげる」

 と言って、何か白い箱のようなものを投げてきた。

「おっと!」

 落としそうになりながらも何とかキャッチ。

 それと同時に箱の中身がゴトッと音を立てる。

 白い箱からは、嗅ぎ覚えのある香りがした。

 箱を開けると、白い物体と緑色のビンが入っている。

「これ……」

「あたしが使ってたアロマディフューザー。それと、グレープフルーツのエッセンシャルオイル」

 箱から玉置の部屋の香りがした。

 思い出の香り。

 このディフューザーはいつまでも彼女の残り香を発し続けるだろう。

 こんなものを渡されたら、ますます忘れられるはずがないのに。