好きなのに。 こんなに好きなのに。 会えなくても、ずっと密かに思い続けていたのに。 他の女には目もくれず、じっと待っていたのに。 「どこに行くの?」 震える声で問えば 「秘密」 とそっけない返事が返ってくる。 「だって梶原君、教えたら来ちゃうでしょう?」 「当たり前でしょ。俺先生のこと好きなんだから」 玉置はにっこり笑って、 「あたしのことなんて、早く忘れて」 と非道な言葉を口にした。