赤い下着の主


 優は今になって自分が思い上がっていたことに気付いた。

 たとえ4月を向かえ、優が正式に高校を卒業したことになったとしても、玉置が優を受け入れるとは限らなかった。

 心のどこかで思っていた。

 玉置はきっと、自分を受け入れると。

 あの10月の日々のように、可愛らしい仕草で甘い時間を演出するのだと。

 自分が卒業すれば何かが変わると期待していた。

 しかしその期待は、所詮ただの期待であり、一方的な願望であり、非現実的な夢だったのだ。

 その証拠に、玉置は今、優の傍から離れようとしている。