赤い下着の主


「先生」

「もう先生じゃないから」

「じゃあ、何て呼べばいいの」

 玉置さん?

 ミナミちゃん?

「さあ、わかんない」

 柔らかく微笑む玉置が、遠く感じる。

 現に今、玉置はどこか遠くへと行こうとしている。

 教師と生徒という呪縛から解放されて、やっと彼女とちゃんと向き合えると思っていたのに。

 それでも3月いっぱいは名目上まだ高校生であるから、4月になってからあの部屋を訪れるつもりでいた。

 それなのに玉置は、4月を待たずにこの部屋を去ろうとしている。

 優の傍から離れようとしている。