赤い下着の主


 青い人影は、優が期待した人物ではなかった。

 春の陽気を反射する青い衣服は作業着で、それを身に付けているのは見知らぬ男。

 青い帽子まで被っている。

 この部屋にいるのは赤い下着と淡い色の部屋着を身につけた美女だけだと高を括っていた優は、その光景をすぐには理解できなかった。

 青い服を着た男はベランダで簡単な作業を終えると、すぐに部屋へと戻っていく。

 部屋の様子は優にも飛び込んできた。

 なぜなら、向かいの部屋にはカーテンがかけられていなかったからだ。

 なくなっているのはカーテンだけではない。

 かつて優が身を沈めたピンクのチェックのベッドすら、どこにも見当たらなかった。