「そのうち慣れるよ」 美奈実が言うと、梶原はキッと表情を歪ませた。 「誘拐したい。光源氏みたいに」 「できるの?」 「できるわけないじゃん」 「あら、あっさり答えるのね」 「できてたらもうやってるから」 美奈実はそっと梶原の手に自分の手を重ねて、一秒だけその温かさを堪能し、頬から離した。 「ねえ、梶原君」 「なに? 先生」 美奈実は頬から離した手をキュッと握って梶原を見上げる。 「男に二言はないと思う?」