源氏物語を理解させるには、時代背景や恋愛事情を理解させなければならない。 和歌や手紙の交換で愛を育むなんて高校時代の美奈実にはよくわからなかったけれど、メールのやり取りで愛を育む梶原の世代なら、もしかするとシンクロするものがあるのかもしれない。 梶原は原文を現代語訳していく。 それを美奈実が手伝う。 二人の勉強は、普通の教師と生徒のように進んでいった。 「そこ、ちがう。この助動詞は尊敬の意味よ」 「え? そうなの?」 「直前の動詞の活用に注目だって、さっきも言ったじゃない」