美奈実はインターフォン越しには応答せずに、すぐさま玄関に向かい、扉を開ける。
「どうしたの?」
すると、そこに立っている背の高い少年は、真剣な面持ちで
「勉強、教えてください」
と、昨日美奈実が持って行った教材を差し出してきた。
「返しに来たの?」
「違いますよ。これ、俺の名前が書いてあるから、俺のだし」
「じゃあ……」
「先生が言ったんでしょう? 勉強教えてたって」
スルリと玄関に入り込む。
扉が閉まっても、梶原はキスもハグもしてこなかった。
「とりあえず、一回くらい教えてくださいよ」
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