赤い下着の主


 梶原は中に挟めてあるプリントをちらりと確認した。

 それが手紙だと認識すると、母親に見られないようパタンと教材を閉じる。

 一通りの流れが終わったと確信した母親が、

「本当にわざわざありがとうございます」

 と声を上げる。

 美奈実はもうしばらく彼の顔を見ていたかったが、長居してしまうとボロが出るような気がしてこれでおいとますることに決めた。

「いえ、ついででしたから。それでは、失礼します」

 礼を言い続ける母親と、切ない視線を送る梶原に見送られながら、美奈実は自宅とは反対方向に歩き出す。