満面の笑みで出てきた女性は、梶原によく似た顔をしていた。 「夕食時に失礼いたします。連絡もなしに申し訳ありません」 美奈実が頭を下げると、梶原の母は 「いいんですよー。うちの子が何かやらかしましたでしょうか?」 と言いながら門を開いた。 「優くんの忘れ物がありましたので、それをお届けに」 美奈実はそれらしく教材を見せる。 「あらやだあの子ったらもーぉ。それでわざわざ?」 「はい。たまたま近くに住んでいるものですから」 「あらそうでしたのー。今呼んで参りますから、どうぞお入りください」