高澤に促されて、人気のない教室にやって来た。
彼が何を言い出すかはまだわからないが、何も知らないフリをしなければならない。
先週のことはもちろん、玉置の住まいについてもだ。
「なんすか、先生。こんなとこに連れてこられると、すっげー怖いんですけど」
ちゃんと演じられているだろうか。
何も知らない一生徒を。
「昼休みなのに悪かったな。ビビることはないさ。ちょっと話だけ聞きたいんだ」
「話っすか?」
「ああ、玉置先生について、なんだがな」
きた……!
「玉置先生って、えーと、あのメガネの玉置先生ですか?」
白々しいにも程がある。



