赤い下着の主


 呼ばれて反射的に振り返ると、優は驚きのあまり体を震わせた。

「は、はい」

「ちょっといいか?」

 優を呼んだのは、爽やかな外見と熱い授業が売りの英語教師。

 玉置と同じ学年を担当しており彼女を口説こうとしている高澤だったのだ。

 なぜ彼が?

 彼の授業を受けたことはないし、部活の顧問でもない。

 接点は何もない。

 本当なら名前だって知らないはずだ。

 彼らにあえて接点があるとすれば、玉置美奈実へのただならぬ思いを抱く同志だという点か。

「なんですか?」

 高澤は真剣な顔で優を威嚇する。

「場所を変えよう」

 どうやら不特定多数の生徒が行き来するここでできる話ではないようだ。