赤い下着の主


「うーん、最近ちょっと考えることが多くてさ」

 優はそう誤魔化すが、優香は更に表情を曇らせた。

「考えることー?」

 そう。

 例えば今日もベルトに付けたキーリングにぶら下がっている、向かいのマンションの鍵のこととか。

 その鍵の持ち主のこととか。

 彼女とその同僚のこととか。

「ねぇー、まさるくん」

「ん?」

「あたしといても、つまんない?」

 ……正直ね。

 でもそんなこと言えるわけがない。

「まさか。そんなことないよ」