赤い下着の主


 地上に降りると、玉置や高澤の声はしなかった。

 どうやら例のバーへの誘導に成功したらしい。

 今頃二人で酒を飲んでいるのか。

 飲みながら何を話しているのだろう。

 あの野郎、先生を酔わせてどうする気だ?

 なんて思ったりもするが、教師・玉置のキャラからすると、きっと彼の前で酔ったりはしない。

 そうであって欲しいという勝手な願望だ。

 まだ高校生で酒さえ飲めない自分が情けない。

「ただいまー」

 自宅に到着したのはそれから一分後。

 手を洗えだのうがいもしろだのとうるさい母に怒鳴ってやりたくなった。

「どうしてあと10年早く産んでくれなかったんだ!」

 と。