玉置の顔がこちらに向いた。
困った顔をしている。
助けてあげたいが、何もできない。
決してここに自分がいることを知られてはいけない。
「高澤先生」
「はい」
「通りに出ると、向かい側にバーがあります」
「え? ああ、はい。通りの、向かいですね」
「そちらでお待ちいただけますか」
「わかりました」
「それでは、後ほど」
高澤はインターフォンに向かって一礼し、その場を離れた。
二人そろって一度ため息をつく。
「あの人、一年の英語の……」
「そう。高澤先生」
「やっぱりあの先生、先生に気があるんだ」
「……そうみたい」



