この人が欲しい。

 連れて帰って、部屋に閉じ込めて、自分だけのものにしたい。

 そう思うが相手は優よりもずっとずっと大人で、優にはこの夢を叶えるほどの力はない。

 だから玉置がこうして受け入れてくれている間だけでも、甘美な思い出を作っていたい。

「梶原君、ここ、玄関……」

「わかってる。大きな声を出すと、外に聞こえちゃうよ、先生」

「もう、バカ」

 優が笑えば玉置が照れる。

 この顔が見たくて張り切ってしまう。