赤い下着の主


 手を振る彼が可愛くて、なんとも愛おしい気持ちになる。

「うん、おやすみ」

 同じように手を振って部屋に戻ると、

 ラベンダーの香りが美奈実を包み込む。

 会わないと顔を見たくなる。

 それが叶ったら触れたくなる。

 それも叶ったら触れられたくなる。

 そしてそれさえ叶ったら、離れたくなくなる。

 胸の奥のほうで膨張している気持ちをラベンダーの力で抑え込み、梶原に触れて触れられたベッドに潜り込む。

「僕じゃダメですか?」

 高澤はそう尋ねてきた。

 ええ、ダメなんです。

 とは言わなかったけれど、

 今は梶原以外の男と触れ合う気にはなれない。