6年前と言えば、美奈実は大学4年生だった。
そんな時、梶原はまだ小学生だったのか。
10年という年の差は、やはり大きい。
「で、梶原君はどの星が一番好きなの?」
うーん、と悩みながらも、
「シリウスかなぁ」
とすぐに答える。
「一番明るいし、キラキラしてる。オリオン座の左下にある青白い星だから、先生にも見えてるんじゃない?」
「残念ながら、お宅の屋根で隠れてる」
「はは、そっか」
落ち込んだ途端、手足が冷えてきた。
「クシュッ」
とくしゃみまで出てしまった。
「風邪引く前に、入ろうか」
「そうね」
距離のある逢瀬もここまでか。
「おやすみ、先生」



