「カペラ、ポルックス、プロキオン、シリウス、リゲル、アルデバラン」
思い出すように目を閉じて、まるで呪文のように唱えられた星の名前たち。
「聞いたことあるものもあったけど、全然わからない。ベテルギウスは入ってないの?」
「入ってないよ。それはオリオン座。でも、リゲルはオリオン座だね」
「ふーん」
意外な知識があるものだと感心していると、彼はため息をついて手すりに寄りかかった。
「これ、中学受験のときに覚えたんだけどさぁ」
「うん」
「もう6年も前のことなのに、ちゃんと覚えてるもんなんだなぁ」
そう言って頭を掻く梶原を見て、美奈実は突き落とされたような感覚がした。



