赤い下着の主


 美奈実が全身で表現していたことは無駄になってしまった。

 日常業務に支障をきたしそうで、こんな事態にはしたくなかったのに。

 彼は本気らしい。

 でも、美奈実にはその気がない。

「申し訳ありません。高澤先生のお気持ちには、お応えできません」

 ゆっくり、はっきり、丁寧に返事をする。

 ちゃんと一度きりで伝わるように。

「そうですか……」

 高澤は意気消沈した声を漏らす。

 美奈実はベッドから降りて、窓のカーテンをめくった。

 梶原の部屋には変わらず明かりが灯っている。

『先生、好きです』

 彼の言葉が頭をよぎった。

 梶原君に、会いたいな――……。

「玉置先生」

「はい」