美奈実が職員用女子更衣室で束の間の休憩を取っている時のこと。
「あー、もうやんなっちゃう」
と言いながら一人の若い教師が入ってきた。
「もー、聞いてくださいよ玉置先生ぇ~」
茶色のフワフワしたヘアスタイルが特徴で、教師3年目、25歳の宮川だ。
たしか、梶原のクラスで古典を担当している。
「どうしたんですか?」
美奈実が尋ねると、宮川は美奈実の座っている長椅子に腰掛け、浮腫んだふくらはぎを揉みだした。
「授業やってても、生徒たちがすぐ寝ちゃうんですよ~」
途端に梶原がうとうとしている顔が頭に浮かぶ。
美奈実はその顔を想像して笑いそうになった。



