「してねーから」
「あたしだってしてない」
美奈実は何とか誤解を解きたかった。
誤解を解いて、自分に気持ちを向けてほしかった。
「今日は……友達の出産祝いで……それでっ」
説明をしようとしても、言葉が上手く出てこない。
悔しくてまた泣きたくなったけれど、梶原の頭も冷えたらしい。
「もう……何も言わないで、先生」
わかったから、と言うように再びキスをすると、自分からその先を求めずにはいられない。
これから彼はきっと、色んな女に出会って色んな恋を経験するだろう。
だけど今は手放したくない。
「先生、ごめん」
「何が?」
「俺がもっと大人だったら、泣かせるようなこと言ったりしないのに」



