「いや、できてないけど」 何だよ急に。 今まで彼女がいても気付かなかったくせに。 「隠さなくてもいいじゃないの。お姉ちゃんに聞いたんだからね」 姉貴のやつ。 この間グロスを付けて帰ったこと、チクりやがったな。 「ほんと、マジでいないから」 「今度ウチに連れてきなさいよ」 聞いてねーし。 つーかマジでいねーし。 「あーはいはい、できたらな」 優はそう言いながら母を追い出した。 ますますヘタなことはできなくなってしまった。 あの母親なら、出かけるとでも言えば勘繰りだすに違いない。