しかし坂本 健は三日、四日、一週間、二週間経っても見つからず。


事件に巻き込まれた可能性が極めて高いと捜索の方向性を切り換え、マスコミを通して少年の行方を探し、情報提供を求めた。
 

そうしている間にも月日は流れ、中3だった彼の同級生達は卒業式を迎え、各々の進路を歩み始める。


同級生達が高校から大学、就職、成人式を迎えても彼の姿どころか一握りの情報すら集まらなかった。


いつしか坂本 健は時の人となり、一部では故人扱いになっていた。



神隠しにあったのではないかとマスコミが持ち上げに持ち上げたこの失踪事件は未解決のまま、時だけが刻一刻と流れた。