人心は、木漏れ日に似る

海里は、薬品の匂いが嫌だったわけではない。


ただ、驚いたのだ。

ほのみが、他人である海里に対して、何の気がねもせずにスプレーを放ったから。

海里の領域に、何のためらいもなく踏み込んだから。


……こいつは、怖くないんだろうか。


海里は疑問に思う。


……他人から拒否され、池に落とされることが、怖くはないのだろうか。