人心は、木漏れ日に似る

川を渡れば、濡れてみじめな姿になることは間違いない。


埃まみれの将樹がそんな目にあえば、いい笑い者になる。

サワやみかげが、断固として嫌がることは目に見えているし、

平子一人がみじめに濡れるのは、本人が望んでいても、あまりに不敏だ。


――俺が行くのが、一番良いんだろうな。

海里はそう思って、浅い濁流をまた一歩、進む。