女子たちが、廃屋の裏手に集まった。

「やばい。

二人とも、素敵すぎる」

畑みかげは、そう言って笑った。

秋川サワも、それに同調する。

「ホントにねー。

ほこりまみれになったあげく、結局ポイントは外だったんでしょ?」

るせーな、と将樹はそっぽを向く。
セットされていた髪には、まだほこりが残っていた。


「私が行けばよかったね……。

将樹君も海里君も、大変だったでしょ?」

嶋根平子は、少し残念そうだ。

将樹は、「嶋根は入りたがっていた」と海里が言ったのを思い出し、廃屋に入った自分を、心の中でなじった。


海里は、それを横目に見ながら、さっさと自分の分のスタンプを押す。

黒く塗り潰された、星型のスタンプ。


班員たちも、それにならってスタンプを押すが、将樹はうつむいて座ったままだった。