人心は、木漏れ日に似る

将樹の無言は、モテたい、という思惑を見透かされたことに対するものではない。

ただ、海里の言葉に違和感を持ったので、黙る。


背中を向けている海里に、将樹は言った。

「そうだよ。

だって、こんな所に入るのはかわいそうだろ」


「僕から見たら、女子でなくても、入った奴は皆、かわいそうだけど」

海里がつぶやいた。

それを聞いて、将樹はあきれた声を出した。

「お前さー、優しくないな」


海里はそれには、応えなかった。