人心は、木漏れ日に似る

昼休みが終わると、会議室で、班活動の説明が始まる。

そう大それた活動ではない。

やることは、ただの、親睦を深めるためのウォークラリーだった。

そもそも、この合宿の目的は

「特色の異なる学校同士が交流し、互いの視野を広げる」

なのだから、生徒の間に流れる気の緩んだ雰囲気は否めなかった。


そして、目的も、雰囲気も、海里の興味を引きはしない。

海里にとっては、班員と関わらざるを得ないこの3日間を、ひたすら無難に過ごすことが全て。


下手に気をひくような行動はせず、目立たず、そういえばいたな、という程度を目指す。


それが、ベスト。

今のところ順調だ、と海里は思う。