人心は、木漏れ日に似る

海里は、こうこうと光を放つ宿舎の中へと入った。

入り口の扉を通り抜けたとたん、廊下を歩く生徒の話し声、ロビーからこぼれたざわめきが、あっと言う間に海里を取り囲む。

色とりどりのジャージが、宿舎のそこかしこでうごめいていた。


飯盒炊さんの時刻には間に合ったようなので、海里は少し安心する。

2階の男子部屋へ行くために海里がロビーを通り過ぎようとすると、ソファでくつろぐ女子の会話が聞こえてきた。