人心は、木漏れ日に似る

薄暗がりの中、土と小枝まみれになった江上冬乃。

「江上さん、大丈夫?

けがはない?」

沖下が心配そうに、江上冬乃へ手を伸ばす。

が、江上冬乃は、その手をいきなりはたき落とすと、不振そうに沖下をにらみつけた。


「けが?

何言ってんの?

いいからさっさと、キーホルダー探すの手伝いなよ」


なんだこいつは、と、海里はあっけに取られ、ちらりとほのみの方を伺う。

ほのみの目は点になっていた。