人心は、木漏れ日に似る

「ほら」


そう言って、ほのみは、海里に向かって手を差し出してみせる。

海里は、視界の下部に浮かんでいる、ほのみの手を眺めた。


差し延べられた、手。



『海里!手!』



「……」


海里は曖昧に頷くと、どうにかその手を取った。