人心は、木漏れ日に似る

海里は、あとずさろうとする足をなんとか地に縫い付け、心臓と共に固まりそうになる体を理性で言い聞かせ、

どうにか、ほのみに向かって頷きを返した。


……大丈夫、と海里は自分に言い聞かせる。

……嫌がる必要はない。ほのみは、自分を気遣ってくれただけだ。目を逸らす必要などないはずだ。

そう念じて海里は、ほのみの瞳から逃げようとする自分をなだめた。


すると。


「よかったぁ!
海里君、ほんとにごめんね?

じゃ、冬乃ちゃんを探しに行こう!」


海里はやっと、ほのみに笑顔が戻ったことに気が付いた。