人心は、木漏れ日に似る

ほのみは心配そうに、海里の顔をのぞき込んでいる。


だが海里は、とっさに何と答えれば良いのか分からず、

……憮然としたまま、黙り込んでしまう。


「ご、ごめんね海里君!
大丈夫!?」


顔を歪ませて、それでも必死に海里を見上げるほのみ。


真っ黒な瞳が、銃口に似ている。

海里を見つめる瞳に悪意はない。
だが、海里は恐ろしかった。


自分を見ないでほしい。
関わらないでほしい。


なぜ?


そこまで考えて、海里は気付いた。

自分は、拒否されたくないのだ。

だったら。


自分も、ほのみを拒否しては、いけないのではないか。