終礼が終わると同時に荷物を持って頼の所に駆け寄る。 「頼っ」 終礼が終わったことに気付いていなかったらしい頼は、私の声を聞いてピッと背筋を伸ばした。 「ん?あぁ、奈里ちゃん」 「先生とでも間違えた?」 寝かけてた時に先生に指名される時のあの感じだったんだろうか。 そう思ってにやにやしながら聞いてみたけど、どうやらそうじゃないらしい。 「んー…、まぁそんなとこ」 頼がこの顔をする時は私の予想が外れてる時だ。 “まぁそんなとこ”なんて曖昧な表現に引っかかると思うなよ。