いつも通り遅くも早くも無い時間に教室に入って、頼の姿を見つけて安心する。
始業の10分前に着席が私のベストタイム。
これより遅いと遅刻寸前だし、これより早いと段々眠くなってくる。
友達とのおしゃべりを10分するぐらいがちょうどいい。
「あぁ奈里ちゃん、おはよ」
「おはよー」
席に着いた途端、頼の声。
「今日の数学、先生の気まぐれで小テストあるらしいよ」
「ふふん、私は実力で勝負するから慌てたりしないんだな」
「ま、俺も勉強なんてする気ないけどね」
ゆるゆるふわふわ、頼との会話は心地いい。
まぁどうせ、放課後になったらまた鬱に突入するんだろうけど。