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「…本当にいい加減にして欲しいんだけど…」
『……ご、ごめんなさい…!』

「別にあなたに言ってるわけじゃないわよ、言う相手が居ないからあなたに言う他無いだけで」
『えっと、つまりはぼくに言ってるよね…』

電話の向こうから聞こえてくるのは、“あたし”の声。しかも半べその情けない声。

「とにかく、そっちは上手くごまかしてよね」
『う、が、がんばってみる…』

「用意したらすぐそっちに行くわ」

あたしはため息をつきながら手短に会話を済ませ、通話を切る。

入れ替わってしまったら、ひとまず合流するのがもはや暗黙のルールになったのだ。
必然的にあたしの家に、あたしが向かう形になる。

ここは彼の、鈴木陽太の部屋で、あたしはまたしても、彼になっていた。

さすがにうんざりしてしまう。
これで彼と体が入れ替わるのは、もう4回目だった。