「あなたはただ泣いているだけじゃない。こんな小さな部屋に閉じこもって、しがみついて、泣きじゃくって。自惚れるんじゃないわよ、みんなって誰よ」
「……つきこ、ちゃ…」

「少なくともあなたがそうやって投げ出そうとする命を、守ろうとしているひとが居る。あなたが自分のことしか考えていない間に、自分のことよりもあなたのことを考えているひとが居る。あなたが何度死のうとしたってきっと、そのひとがあなたを死なせたりなんかしない。絶対に」

──約束。
ごはんだけは必ず家族と食べること。

毎日、声をかけて、呼びにくるひとがいる。

兄の名前を呼ぶ目隠しの母親の前で、本当の名前を呼び続けてるひとがいる。

「考えなさいよ、死ぬことよりもっと大事なこと。生きてるうちに、失くさないうちに、もっとちゃんと、大事にしなさいよ…!」